尖閣諸島 2012 12 16
書名 尖閣の守護天使(徳間文庫)
著者 夏見 正隆 徳間書店
この本は、2010年11月15日に出版されました。
驚くことに、著者は、現役のパイロットだというのです。
しかも、F15イーグル戦闘機のパイロットかもしれません。
私は、「そんなことはないだろう。
職業作家がパイロットを取材して書いたものだろう」と思いました。
しかし、現役のパイロットでしか書けない「迫力ある展開」、
F15イーグル特有の機械的な特徴(クセ)などの描写を見れば、
やはり、著者が現役のパイロットであると思います。
さて、この小説のあらすじを書きましょう。
ある日、突然、尖閣諸島へ向けて移動する高速の飛行物体が発見されたのです。
それは、レーダーに突然、出現したのです。
飛行機が尖閣諸島に低空で近づけば、
それは、レーダーの水平線の下になってしまい、
つまり、レーダーの死角になり、発見できないでしょうが、
謎の飛行物体は、高空を高速で尖閣諸島へ向けて移動しているのです。
そんな飛行物体が、突然、出現したので、
自衛隊では、当然、パニックというか、大騒ぎとなりました。
「UFOか」と思ったかもしれません。
その日、その時刻は、香港発の成田行きの民間旅客機が飛んでいました。
謎の飛行物体は、大型旅客機の下をコバンザメのように飛んでいたのです。
そして、尖閣諸島に近づいたら、謎の飛行物体は、
大型旅客機の下腹から離脱したのです。
謎の飛行物体(戦闘機)は、
また尖閣諸島付近でレーダーから消え、
これまた自衛隊で大騒ぎとなりました。
謎の戦闘機が急降下して、
宮古島のレーダーサイトの死角に入ったはずですが、
当日は、E767早期警戒管制機が、南西諸島の空域を滞空して、
監視しているはずだったのです。
だから、謎の戦闘機を見失うはずはないのです。
自衛隊では、「E767の故障か」と大騒ぎになりました。
ところが、本当は、南西諸島の空域には、いるはずのE767がいなかったのです。
この日は、特別な日だったのです。
与党の大物幹事長が、百人を超える議員団を引き連れて、訪中する日だったのです。
政権与党としては、訪中団を中国に向かわせる時、
中国との友好関係に影響が出るとして、
政府が早期警戒管制機を日本の空から全部引き上げさせていたのです。
(以上)
あらすじを書きすぎると、本が売れなくなるので、これで終わりにします。
この本は、2010年11月15日に出版されました。
さて、2012年12月13日の時事通信社には、このようなニュースがあります。
「中国機が尖閣沖で領空侵犯」
13日午前11時6分ごろ、中国国家海洋局所属の航空機1機が、
沖縄県の尖閣諸島の魚釣島南方約15キロ付近の日本の領空を飛行しているのを、
海上保安庁の巡視船が確認した。
海保から通報を受けた航空自衛隊のF15戦闘機8機と早期警戒機E2Cが緊急発進した。
防衛省によると、自衛隊のレーダーでは中国機の領空侵犯を捕捉できなかった。
空自機が海保から通報を受け、現場空域に到着した時には、中国機は飛び去った後だった。
(引用、以上)